対物ライフル
対物ライフル(たいぶつらいふる)とはかつての対戦車ライフルに相当する大型の銃である。主に狙撃と陣地、軽車両への攻撃に使用される。英語ではアンチ・マテリアル・ライフル(Anti-materiel rifle)。
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概要
対物ライフルは12.7mm弾のような大口径弾を使用する銃である。重い大口径弾のすぐれた弾道直進性を生かして一般の小銃弾を使用する狙撃銃をはるかに上回る距離で狙撃を行える。また、大口径弾の貫通力を生かして軽車両の攻撃にも使われる。陣地や市街地で土嚢や壁などの障害物を貫いて後ろに隠れる敵を殺傷することもできる。欠点は銃と弾薬が大型で重く取り回しが悪いこと、反動が強く2脚(バイポット)を接地した伏せ撃ち以外では命中を期待できない事など。
歴史
第1次世界大戦に、対物ライフルの原型が登場している。第1次大戦中に、ドイツは新たに戦車を狙撃することを目的とした大口径ボルトアクションライフルのパンツァー・ブクセ(対戦車ライフル)を投入した。パンツァー・ブクセは、戦車そのものを破壊するのではなく、装甲板を貫通して内部の乗員を射殺することが目的であった。この銃が現在の対物ライフルの原案といえる。
その後第二次世界大戦において対戦車ライフルを対人、対物狙撃用として使用した例はあった。しかし戦後対戦車火器として陳腐化したことにより軍の編成から対戦車ライフルが姿を消した。そして長らく現用兵器としてのその存在は忘れ去られていた。しかし現代になって大口径ライフルの運用を再び検討するようになった理由は2つ存在する。
1つ目は、砲兵や航空部隊の支援を期待することのできない特殊部隊が、少数で容易に運用が可能で、通常の小火器以上の火力のある武器を求めた事による。このような武器を求めた背景には、フォークランド諸島(マルビナス諸島)にイギリスが侵攻したフォークランド紛争において、アルゼンチン軍がスコープを取り付けたブローニングM2重機関銃による遠距離狙撃という戦術を使用し、同口径の火器を退役させていた英軍を圧倒した事による。この攻撃で、対抗手段を持たない英軍は、高価で大型な兵器であるミラン対戦車ミサイルを打ち込んで陣地を破壊するよりなかった。そこで、より簡便な大口径ライフルによる狙撃が見直されることになった。
2つ目は警察などの対テロ特殊部隊が、飛行場などの開けた場所などで、1000m以上の超遠距離の狙撃や、強化ガラスや航空機のキャノピーを貫通できるような狙撃銃を求めた事である。直接的には、1972年に起きたミュンヘン・オリンピックのテロ事件(ミュンヘンオリンピック事件)の際に、ドイツ警察などが飛行場での遠距離狙撃を失敗、多くの犠牲者を出した。
これらの理由が複合的に検討された結果、50口径クラスのライフルが再び開発されるようになった。
湾岸戦争、アフガニスタン、イラク戦争など開けた場所が多い戦場で米陸軍、米海兵隊が遠距離狙撃にバレットM82による多大な戦果を挙げた 警察の対テロ部隊にも採用が広がっている。
主な対物ライフル
- バレットM82
- PGM ヘカートII
- マクミラン M87R
- NTW
関連項目
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